思い出すといろいろ考えちゃって眠れなくなるのです。
目をつぶって1分もしないうちに眠れるワシなのですが、昨夜はコレどぉ書こぉかなぁ〜、
なんて考えてたら、いろんな哀しい場面がどんどん浮かんできて朝になっちゃったぢゃん。

『さらば、わが愛 覇王別姫』
2008年3月19日(水) Bunkamuraシアターコクーン
19:00開演 21:00終演
原作:李碧華
脚本:岸田理生
演出:蜷川幸雄 音楽:宮川彬良
出演:程蝶衣:東山紀之
段小楼:遠藤憲一
菊仙:木村佳乃
袁世凱:西岡徳馬
小西:中村友也
あらすじ
娼婦の私生児である小豆子は、9歳で科班(京劇俳優養成所)に売られてしまう。「娼婦の子」といじめられる小豆子をことあるごとに助けてくれたのは12歳の石頭。小豆子はやがて石頭を愛するようになる。成長した二人はやがて程蝶衣と段小楼と名乗り『覇王別姫』の項羽と虞姫として共演しトップスターとなる。蝶衣は少年時代と同様小楼を愛していたが、小楼は「舞台の虞姫はお前しかいないが、人生の虞姫は菊仙だ。」と言い娼婦の菊仙と結婚する。傷ついた蝶衣は「京劇の守り神」袁世卿との関係を深めてゆく。時は1960年代、中国全土に文化大革命の嵐が吹き荒れる。京劇は堕落の象徴として世間から叩かれ、蝶衣と小楼も虐げられるようになり、蝶衣、小樓、菊仙の3人は精神的に極限まで追い詰められる。そして彼らの互いへの愛憎と裏切りの果てには、大きな悲劇が待ち受けていた。
ちなみにワシ、レスリー・チャンの映画『さらば、わが愛/覇王別姫』は見てません。
元のものを見てしまうと、どぉしてもそれと比べたくなるし、そしたら元のがイィって思うに違いないもん。特にあんなに話題になった作品だし。でもちょっとはお勉強して行きました。文化大革命についてと京劇『覇王別姫』のストーリー。
この舞台の熱が冷めたら映画観てみよぉかなぁ、なんて思ってます。
劇場内に入ると、赤い堤燈(ってゆぅのかな?)が柱に飾り付けてあって、舞台では出演者の方達がピョンピョン跳んだりクルクル回ったり練習中。舞台の向こう側は、アレって舞台装置とかの搬入口なのかな(?)大きな扉が開いててトラックが見えてる。開演直前までそんな光景を見てるわけです。これって演出だよね。本番始まる前から、お客さんのワシ等は京劇の劇場にいるよぉな雰囲気になります。
そんなのをボンヤリ見てたら音楽が流れてきて、さぁ開演です。
気が付くと、いつのまにか練習してた方達はいなくなっていて、舞台の上は薄く白く透き通ったカーテンのみが垂れてます。
このカーテンはいろんな場面で使われてます。六本目の指を母親に切断される悪夢のよぉな回想、自分の愛に答えてくれない小楼に絶望して麻薬(阿片だっけ?)にのめりこむ蝶衣、そして阿片中毒でもがき苦しむ蝶衣、そんな蝶衣に対する母性本能と小楼を奪われまいとする嫉妬の間で思い悩む菊仙、そして途中からはカーテンの裾がボロボロになってるのだ。これは大きく変わってゆく時代に翻弄され傷ついてゆく心を表してるのかなぁ。
セットは必要最低限のものしか置いていない。そのため、役者さん達が舞台で際立っているよぉにワシには観えたです。
なんかねぇ〜、音楽が素晴らしぃのです。思い出すだけでもジンワリ涙が出そぉ。
優しく、美しく、ときには力強くもあり、でも哀しい。聴いているだけで心がってゆぅかカラダの奥がジンジンしてくるよぉな曲なのです。
激動の時代を生き、そして哀しい運命をたどらなければならなかった人達を象徴するよぉな、そんな印象を受けました。
さて、それでは役者さん達についてです。
まず主演の東山紀之さん
どぉもこぉ感情を表に出さないクールなイメージだったんですけど、蝶衣良かったです。物腰もなんとなくぬるっとしてました。小楼を愛してるって気持ちもワシにはビンビン伝わってきました、視線とか。説教されてる蝶衣と小楼に菊仙が妊娠を伝え、小楼と2人で抱き合って喜ぶのを見つめる蝶衣があまりにも哀しそぉで忘れられないざんす。小楼に裏切られ取り乱すシーンも、とにかく可哀想で可哀想で、、、。歌もきれぇ〜に歌ってました。
西岡徳馬さん
はい、京劇界の重鎮でした。仕草にも話す言葉にも実力者の貫禄がありました。蝶衣を誘ってもいやらしくないんだよね、これが。
木村佳乃さん
歌は普通に問題なく歌えてたと思います。ただ、菊仙としてはなんとなく影が薄かったよぉな、、、。奔放な女性って感じはしなかったなぁ、小楼のまわりに付いて回ってる小娘みたいな感じがしちゃった、ワシには、邪魔な小娘だなぁって。ごめんなさいです。蝶衣の気持ち中心に観ちゃったからかなぁ。
そしてそして遠藤憲一さんだってばよっ。
いっちばん最初の遠藤さんの出演場面でワシはぶっ倒れたワ。京劇の項羽を演じてるとこなんですけど、いやぁ〜歌がねぇ〜、、、。ヘタっぴなんだもんっ。ピンポンパンのお兄さんの最終選考まで残ったんですよねぇ?!ひゃぁ〜、ビックラこいたワ。おかげでその後、いつ歌う場面がくるかと思ってちょっとドキドキしちゃったってばっ。蜷川さんは本気で良かったわけ?音楽劇なのにあの歌唱力で、、、と思ってしまったんですが、それ以外は男の魅力び〜んびんやったワ。特に、最後に自分を守るために心ならずも蝶衣と菊仙を裏切ってしまう場面、あそこで大声で喚くとこなんか人間臭くってたまらんかったワ。蝶衣が虞姫と同じよぉに自殺をする場面、蝶衣が何をしたのか気付くまでの長い間も良かったワ。心鷲掴みだワ。
ちょっと感じたのは、あんな声だったっけ?声つぶれちゃってたにかな?『座頭市』の時は、もっとはっきりと声が通ってたよねぇ、、、。
蝶衣って、本当に可哀想だよねぇ。だって母親に捨てられ、それでも何年も信じて待ってたのにやっぱり迎えには来てくれなかった。自分が母親役になって育てよぉとした小西にも裏切られ、そして愛する人には最後の最後に裏切られ。。。
でもエンケンさんが言ってるよぉに(パンフに書かれてる)、自分が生きるか死ぬかって時になったらどんだけの人が自分を犠牲にできるだろぉ?小楼が自分を守るために自分の一番大切な2人を裏切ってしまうってのも仕方のないことなんぢゃぁないかなぁって思うよ。自分を犠牲にできる人ってのが凄い人なんだと思う。
なんかさぁ、子供の頃の親の愛ってのも本当に大切なんだなぁ〜、って蝶衣を観て改めて思ったです。
はぁ〜、なんか弱いんですよね、こぉゆぅ哀しいお話って。いっつまで考えちゃうんだよ。
寝不足になっちゃうよ。